歯医者に足を運んだときだけでなく、今やテレビやインターネットの広告、あるいはドラッグストアの店頭でも目にするホワイトニングアイテム。
歯科矯正と同様に、歯の美しさは他人に好印象を与える要素の一つとして注目を集めています。
一方で、ホワイトニングアイテムや施術方法も多数存在するため、初めてホワイトニングをする際には、選択肢が多く何から始めるべきか分からないという人も多いです。
この記事では、ホワイトニングに関する基礎知識を中心にご紹介しながら、おすすめのホワイトニング方法についてもご紹介していきます。
ホワイトニング初心者の方はぜひ参考にしてみてください。
まずは、そもそもホワイトニングがどういったものなのかについて説明していきます。ホワイトニングとは、歯の着色を薬剤を用いて取り除き、白くする施術方法です。歯を削ったり被せものをしたりすることがないので、歯への負担が少ないのが特徴です。歯の着色の原因としては、以下のようなものが挙げられます。
歯のエナメル質の表面だけの着色でとどまっている場合は、歯石除去など歯の表面をクリーニングすることによってある程度の着色は取り除くことができます。一方で、歯のエナメル質の内面まで着色してしまっていたり、もともと歯の色が黄味がかっている人などは、クリーニングでは歯の着色を改善することはできません。そういった、歯そのものの黄ばみを取り除きたいという場合には、前述したとおり漂白作用のある薬剤を用いた「ホワイトニング」の施術が必要となります。
では実際にホワイトニングを行うにあたって、どのようなことを実現でき、どのようなメリットをもたらすのかを紹介していきます。
ちょっとした着色や歯石による歯の汚れを除去するクリーニングでは取り除けなかった歯の黄ばみを改善できるのが、ホワイトニングの一番の強みと言っても過言ではないでしょう。
どれだけ毎日ブラッシングやフロスなど歯の手入れを心がけている人でも、一生真っ白な歯を維持し続けることは非常に難しいです。
また、生まれつき歯が黄色っぽい人もいます。歯の手入れを怠っているわけではないのに黄ばんで見えてしまうことで、歯を見せて笑うことにコンプレックスを覚えてしまうといった人には、ぜひホワイトニングを実践していただきたいです。
口臭の原因は、主に口腔内で増えた細菌によるものです。ホワイトニングに使用する薬剤には、歯を漂白する薬剤もあれば歯の汚れを除去することが目的の薬剤もあります。ホワイトニングをすれば歯の汚れと同時に細菌を除去することにつながり、自然と口臭を改善することができます。
さらに、ホワイトニングの施術では、歯に汚れや細菌がつきにくくするコーティングの効果もあります。歯の白さと同時に口臭の予防ができることで、より清潔な口腔環境を手に入れることができるのです。
一度清潔で白い歯を手にすることができれば、誰もがそれを維持したくなるのは当然のこと。元の歯が白いと、ちょっとした汚れにもすぐ気づくことができますし、白さや清潔さを維持するためにこまめで丁寧なブラッシングを心がける習慣がつきやすくなります。
また、自分の歯がコンプレックスで歯医者に足を運びづらかった人も、ホワイトニングをすることによって歯医者への定期検診に足を運びやすくなるケースも少なくありません。
歯を清潔な状態に保つことは、まさに良いことづくしなのです。
数あるホワイトニング方法の中でも、特におすすめしたいのが「歯医者でのホワイトニング」です。
歯の専門家である歯科医師が、あなたの歯の状態をチェック・把握した上で施術をしてくれるため、安心・安全なホワイトニングが実現できます。
「仕事が忙しくて毎回歯医者に通う自信がない……。」という方には、歯医者が提供するホームホワイトニングがあるので、それをおすすめします。
歯医者のホワイトニングだからこそ得られるメリットは以下の通りです。
歯医者で行うホワイトニングでは、歯科医師と相談をしながら自分が求めている歯の白さを選ぶことが可能です。
自分の歯の状態と理想の白さを相談した上で施術を行うため、「理想の白さとほど遠い」「白くなりすぎて肌の色と合わない」といったトラブルが圧倒的に起こりづらいのが魅力の一つです。
最近では、自分自身でホワイトニングを行うキットを用意して行う「セルフホワイトニング」も注目を浴びています。
しかし、この場合は歯科医師と相談をして施術をするわけではありませんので、想像している白さを実現できないこともあり注意が必要です。
どれだけホワイトニングで歯を白くできたとしても、歯や歯茎自体に問題がある場合は、その治療をしなければ歯肉炎や歯周病、虫歯などのトラブルを引き起こしてしまいます。
どれだけ歯を白くしたとしても、口腔内で何かしらのトラブルを抱えているような状態ではいずれ歯の治療が必要となり本末転倒です。
歯医者で行うホワイトニングでは一人ひとりの歯の状態をみた上で理想の白さを実現するためのホワイトニング剤を使用していきます。
ホワイトニングの効き目が弱い・強すぎるといったトラブルが少ないだけでなく、白さを持続しやすいことも歯医者でのホワイトニングの特徴です。
ホワイトニングの持続性だけを考えるのであれば、歯医者に通院して行う「オフィスホワイトニング」よりも、歯医者で用意されたマウスピースと薬剤を自宅で使用して行う「ホームホワイトニング」がより効果的だとも言われています。
ここまでホワイトニングの仕組みやメリットについて説明をしてきましたが、ホワイトニングをすることができない、あるいはしても効果が出にくい人もいます。
以下の項目に当てはまる人は、ホワイトニングを行う前に必ず歯科医師へご相談することをおすすめします。
虫歯がある場合、虫歯治療とホワイトニングを並行することはできません。
虫歯は常に進行してしまうものですので、ホワイトニングを先に行ってしまうと、その間にどんどんと虫歯が広がる恐れがあります。
せっかく綺麗にした歯が虫歯によって黒くなってしまったり、ホワイトニングの施術期間中に虫歯による痛みを引き起こしてしまうことを避けるためにも、先に虫歯治療は終わらせておきましょう。
さらに、虫歯がある状態でホワイトニングの施術をしてしまうとホワイトニングの薬剤が虫歯に染みて痛むケースもあります。
結果としてホワイトニングを中断せざるを得ないケースを考えると、やはり虫歯治療は最優先で対応した上でホワイトニングをすることをおすすめします。
虫歯と同様、歯肉炎や歯周病も知らないうちに症状が進行して悪化する恐れがあります。
歯肉炎は歯茎の炎症で、それがより悪化してしまったものが歯周病です。
歯周病になってしまうと歯を支えることができなくなり、最悪の場合歯を失ってしまうことも。
ホワイトニングでいくら歯を白くしても、その歯を失ってしまっては意味がありません。
さらに、歯肉炎や歯周病があるとホワイトニングの施術を行う際に出血しやすく、この出血にとってホワイトニングの薬剤の効果が衰えてしまうこともあります。
そのため、歯肉炎や歯周病を患った状態でのホワイトニングはおすすめすることができません。
また、歯肉炎や歯周病が虫歯よりも厄介なのは、発症や進行に気付きにくいという点です。
自分の歯は健康だと思っていても、実は歯肉炎あるいは歯周病を発症してしまっているケースも多くあります。
歯医者でのホワイトニングでは、ホワイトニングを行う前に必ず口腔内の状態をチェックしますので、安心してホワイトニングを行うことができます。
ホワイトニングでは、もともと虫歯などの治療で詰め物や被せ物(銀歯など)をしている箇所は薬剤の効果が出ません。
詰め物や被せ物はいわゆる人工物ですので、これらを白くすることは不可能なのです。
過去に複数の虫歯治療を行い、その詰め物の変色をどうにかしたいといった悩みを抱えている方は、ホワイトニングではその悩みを解消することができません。
このようなお悩みをもつ方は、詰め物自体を白い材質のものに変えたり、銀歯をセラミックに変更するといった治療法をおすすめします。
これらの治療を完了させた上で、残りの健康な歯を詰め物やセラミックの色と馴染むような白さにホワイトニングするといった流れで治療をしていけば、変に詰め物の部分だけが目立つといったこともなく、かつ白く美しく健康な歯を手に入れることができます。
フッ素は歯を溶かす「酸」に対して働きかけ、歯が溶けるのを防ぐ役割をもっています。
虫歯治療をした後などはフッ素加工を施して虫歯の再発を防ぐことがあります。
しかし、このフッ素加工はホワイトニングの薬剤が歯に浸透するのを妨げてしまいます。
フッ素加工が十分に施された歯にはホワイトニングの効果が薄れてしまう恐れがあるため、歯科医師に確認をした上でホワイトニングをするかどうか判断した方が良いでしょう。
最後に、ホワイトニングを行うにあたって確認しておくべきポイントをいくつか挙げます。
虫歯治療や歯石除去などのクリーニングは保険適用内となる一方、ホワイトニングやインプラント治療は保険適用外となります。
「保険が効くから安く施術できるだろう」と思っている方は、ホワイトニングの施術に必要な費用を事前に確認しておくようにしてください。
一言に「歯医者でのホワイトニング」といっても、歯医者に通院をして行う「オフィスホワイトニング」と歯医者で渡された器具や薬剤を使って行う「ホームホワイトニング」の2種類があります。
歯医者によってはどちらか一方しか対応していないというところも少なくありません。あなたが希望している施術ができる歯医者なのかどうかは事前に確認をしておきましょう。
また、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングどちらが自分に合っているのかが分からないという人は、どちらの施術にも対応している歯医者に相談しに行き、歯科医師と相談をしながら施術プランを立てていくこともおすすめします。
今回は、ホワイトニングに関する基礎知識やおすすめの施術方法、注意点についてご説明しました。単に歯を白くしたいと思って安易な気持ちでホワイトニングを始めても、求めている白さや歯の健康が得られないこともあります。
ホワイトニングに関する正しい知識をつけることで、確実に白く美しく健康な歯を手に入れましょう。
オフィスホワイトニングとは、歯科医院で行うホワイトニングのことです。すぐに歯を白くすることができ、即効性を求める方に最適です。しかし、理想の白さを実現するまでには複数回の施術が必要のため、費用が高額となることがあります。今回は、オフィスホワイトニングの概要のほか、メリットや施術の流れについて詳しく解説します。
オフィスホワイトニングとは、歯科医院で行う専門的な歯のホワイトニング(歯を白くする)治療のことです。
専用の薬剤を歯の表面に塗布し、特定の波長の光(レーザーやLEDなど)を照射します。この光が薬剤の成分と反応し、歯の表面に付着している色素を分解・除去することで歯を白くします。
オフィスホワイトニングのメリットは、以下のとおりです。
オフィスホワイトニングの最大のメリットは、短期間で歯の白さを実感できるところです。オフィスホワイトニングは、歯科医院などの専門機関で行われるプロのホワイトニング治療で、強力な漂白剤と特殊な光を用いて行われます。
個人差はありますが、たった1回の施術(約30~60分)で歯を白くすることが可能です。さらに効果を高めたい場合、2~3回以上の施術を重ねることで、より一層の白さを実感することができます。
オフィスホワイトニングは、ご自宅でのホワイトニングや市販のホワイトニング製品を使用する場合と比べて、明らかに効果が早くあらわれるという大きなメリットがあります。イベントなどをひかえていて、歯の黄ばみや変色をすぐに改善したい方にとって、オフィスホワイトニングは最適な選択といえるでしょう。
オフィスホワイトニングは、歯科医師によって行われるホワイトニングです。ご自身でホワイトニングを行う場合、どうしても均一に漂白剤を塗布できない場合や、所定の時間を守るのが難しい場合があるため、ムラがでやすいです。ご自宅で行うホワイトニングと比べて、歯の白さにムラが出ることが少ないです。
また、オフィスホワイトニングでは、施術中に何らかの問題が発生した場合でも、すぐに専門的な治療を受けることができます。たとえば、施術中に歯に違和感や痛みがある場合もすぐに対応してもらえるため、安心感があるでしょう。
オフィスホワイトニングでは、漂白効果のある過酸化水素を含んだ薬剤を使用することが可能です。薬剤は強力な漂白作用があり、ご自身で行うホワイトニングケアでは得られないレベルの白さを達成することができます。そのため、より効果的なホワイトニング効果が期待できるでしょう。
また、オフィスホワイトニングの初回カウンセリングでは「シェードガイド」という専用の色見本を使用します。シェードガイドにより、現在の歯の色や施術後の色変化を正確に確認することができます。1回の施術ごとに歯の色の変化を実感でき、理想の白さを目指して施術を重ねることが可能です。
オフィスホワイトニングでは、歯科医師に口腔内の状態を確認してもらえます。ホワイトニング施術の前に歯石除去などの口腔内ケアをしてもらうことができ、ホワイトニング効果を最大限に引き出すことが可能です。
さらに、オフィスホワイトニングはただ歯を白くするだけでなく、口内環境の改善や虫歯予防にも貢献します。ホワイトニングの前に行われる歯科医師のチェックでは、早期の虫歯や歯周病などの病気の発見も期待できます。早期治療につなげることができ、重度の口腔疾患を防ぐことが可能です。
ホームホワイトニングは、白さが定着するまでに2~3週間、ほぼ毎日マウスピースを装着し続ける必要があります。また、ホームホワイトニングでは、濃度の低い薬剤から使用するため、装着時間が2時間ほど必要です。さらに、マウスピースのお手入れも必要で、特に忙しい方にとっては、手間と時間が負担となることがあるでしょう。
一方、オフィスホワイトニングは、歯科医院に通う必要がありますが、時間的な拘束はホームホワイトニングに比べて少ないです。初回の施術は約90分とやや長めですが、その後の施術は約30~60分で終了します。
つまり、忙しい日々を過ごす方であっても、診察時間内に歯科医院へ足を運べば、一定の時間で確実に歯を白くすることが可能です。そのため、時間管理が必要な方や自己管理が難しい方には、オフィスホワイトニングが適しているといえるでしょう。
オフィスホワイトニングのデメリットは、以下のとおりです。
ホームホワイトニングと比較した場合、オフィスホワイトニングは短期間で歯を白くすることができますが、効果の持続期間は比較的短いです。
ホームホワイトニングはゆっくりと時間をかけて歯を白くするため、効果が長持ちする傾向にあります。オフィスホワイトニングは、個人差はあるものの、施術から3か月ほど経つと、歯の色が元に戻り始めるといわれています。そのため、持続的に白い歯を維持したい場合は、定期的に施術を受ける必要があるでしょう。
ホームホワイトニングに比べて、オフィスホワイトニングの費用は高くなります。ホームホワイトニングは、約3週間かけて徐々に歯を白くしていきます。ホームホワイトニングの費用は、総額で約10万円です。
一方、オフィスホワイトニングは、1回の施術ごとに約5万円かかります。通常、効果を実感するためには3~6回の施術が必要とされるため、合計するとホームホワイトニングに比べてコストが高くなる可能性が高いです。
上記のように、ホワイトニングの方法を選択する際は、ご自身の希望する効果と費用、施術の回数などを考慮する必要があるでしょう。
面接や重要な仕事の前など、特定のイベントの直前に歯を白くしたいと思って歯科医院に行ったとしても、口内の状態によってはすぐにホワイトニングの施術を受けられない場合があります。理由は、オフィスホワイトニングで使用するホワイトニング剤が歯周病や虫歯の患部に触れると、症状が悪化する可能性があるからです。
歯周病や虫歯などの口腔内の問題がある場合、まずは歯周病や虫歯の治療を優先することが求められます。オフィスホワイトニングを受ける場合は、事前に口腔内の健康状態をチェックしてもらい、必要な治療を受けることが重要です。
実際にオフィスホワイトニングはどのように行われるのでしょうか。オフィスホワイトニング施術の流れは、以下のとおりです。
オフィスホワイトニングを受ける際の最初のステップとなるのが、カウンセリングです。
まず、カウンセリングでは、オフィスホワイトニングとは何か、具体的にどのような効果が得られるのか、施術方法や流れ、そして1回あたりの費用などについて説明を受けます。
歯科医院によって多少内容が異なるかもしれませんが、基本的な点については必ず理解しておきましょう。不安や疑問がある場合は、遠慮せずに質問して理解を深めることが重要です。また、ご自身の希望や予算についても、カウンセリングの時点で伝えておくことが大切です。
その後、歯科医師や歯科衛生士が現在の歯の状態をチェックします。これは、口内がホワイトニングを受けるのに適した環境にあるかを確認するためです。
また、現在の歯の色も確認します。シェードガイドとよばれる色見本を使用して、歯の色を客観的に判断します。歯科医院によっては、施術前後の変化を記録するために写真撮影を行うこともあるでしょう。
オフィスホワイトニングは、歯の表面に特殊な薬剤を浸透させて歯を白くする方法です。
しかし、歯の表面に歯垢や歯石、着色汚れなどが付着していると、これらが薬剤の浸透を阻害し、結果的にホワイトニングの効果を低下させてしまいます。そのため、効果的なホワイトニングを行うためには、施術前に歯の表面の汚れや着色を取り除くクリーニングが必要です。クリーニングにより歯の表面がきれいになると、ホワイトニング薬剤が歯により染み込みやすくなります。
また、歯は見た目ではきれいに見えても、肉眼では確認できない「バイオフィルム」とよばれる、微生物の塊が歯に付着していることが多いです。このような微細な汚れもクリーニングによって取り除くことが可能で、さらに薬剤の浸透がよくなり、ホワイトニング効果が高まります。
クリーニングは、オフィスホワイトニングの効果を最大限に引き出すための重要なプロセスであり、施術前に必ず行われる工程なのです。
ホワイトニングの流れは、以下のとおりです。
ホワイトニング剤が歯茎に付かないようにするため、歯茎に保護剤を塗布します。歯茎をホワイトニング剤による刺激から守るための重要なステップです。
歯の表面にホワイトニング剤を塗布します。その後、ホワイトニング剤に特殊な光を照射することで、歯の色素を分解し、歯を白くする作用を引きだします。
光照射のあとは、歯の表面からホワイトニング剤をしっかり除去します。
①~③の工程を、施術内容によっては複数回繰り返すこともあります。具体的な施術の回数や時間は、使用するホワイトニング剤の種類や施術内容によって異なりますが、一般的には30分~1時間半くらいが目安です。
全体の流れとしては、カウンセリングや歯のクリーニングも含めて考慮すると、施術時間よりも十分な時間を確保しておくと安心です。オフィスホワイトニングを受ける際は、施術前後にゆとりをもって予定を立てておくのがよいでしょう。
ホワイトニングの施術が終わったあと、最終的な仕上げとして再度歯のクリーニングを行います。これは、施術により歯の表面に残った可能性のあるホワイトニング剤を完全に取り除くためです。
その後、施術前と施術後の歯の色を比較し、ホワイトニングの効果、つまり歯がどの程度白くなったか確認します。重要なのは、一度の施術で歯が真っ白になることは少ないという点です。特に、施術前の歯の色が黄色だった場合や暗かった場合、期待するほどの効果を感じにくいかもしれません。
しかし、施術前の歯の色と施術後の歯の色を比較することで、客観的に色の変化を確認することができます。色の変化から、今後何回程度の施術が必要か、目標の歯の白さにどれくらい近づいたかといった予測も立てられます。
ホワイトニングは一回きりの施術ではなく「進行状況を確認しながら、繰り返すことで最終的な目標に近づく」という考え方が重要です。
オフィスホワイトニングによって得られる白さは、一般的には約3か月~1年程度持続するといわれています。
しかし、オフィスホワイトニングの効果がどの程度維持されるかは、ホワイトニング後の個々の生活習慣に大きく影響を受けるといえるでしょう。具体的には、ホワイトニング施術後にタバコを吸う、または着色しやすい食事をとることが多い場合、歯が元の色に戻る「色戻り」が早まる可能性があります。タバコのニコチンや飲食物の色素は歯に着色しやすいため、ホワイトニング後も注意深く管理を行うことが必要です。
ホワイトニングの効果を最大限に保つためには、ホワイトニング後の生活習慣の見直しが重要です。具体的には、喫煙の習慣を見直し、コーヒーやカレーなど着色しやすい飲食物の摂取をひかえめにするなどが考えられるでしょう。
オフィスホワイトニングは色戻りを極力おさえるために、いくつか注意することががあります。オフィスホワイトニングの施術後に気をつけることは、以下のとおりです。
オフィスホワイトニングの施術を受けたあとの歯は、一時的に着色しやすい状態となります。そのため、施術後48時間(2日間)は、特に色の濃い食べ物や飲み物の摂取、そして喫煙はさけることが推奨されています。これは、新たに白くなった歯が再び黄ばんでしまうのを防ぐためです。
また、色戻りを予防するためには、色の濃いものだけでなく、色のついている全ての飲食物に注意することが重要です。ケチャップや醤油、コーヒーなどの明らかに色が濃いものはもちろん、見た目は薄い色でも色素が含まれている飲食物もさける必要があります。
施術直後は歯の表面が敏感となっているため、飲食物やタバコの成分が付着しやすく、歯の色に影響を与えやすいです。施術後48時間は可能な限り白いもの、または透明なものを選んで飲食するとよいでしょう。また、定期的に歯を磨くことで、色素が付着するのを防ぐことも可能です。
ただし、ホワイトニング直後の歯磨きは、歯に負担をかけないように優しく行いましょう。
ホワイトニングの施術により、歯の表面を保護する役割を果たしている「ペリクル」が一時的にはがれてしまいます。
ペリクルは、飲食物の色素が歯に直接付着するのを防いでくれる重要なバリアのひとつです。ペリクルがはがれた状態では、歯が飲食物の色素による着色を受けやすくなってしまいます。
ペリクルは、ホワイトニング後12~48時間ほどで自然に再生します。48時間経過したあとでも、コーティング剤が配合された歯磨き粉を使用することで、歯の表面を滑らかに保つことが可能です。新たな色素が歯に付着するのを防ぎ、歯を白く保つことができます。
コーティング剤としてよく使われる成分は「DL-ピロリドンカルボン酸ナトリウム液(PCA)」や「カオチン化セルロース(ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド)」などがあります。これらの成分が含まれている歯磨き粉を選ぶことで、ホワイトニングの効果を長持ちさせることができるでしょう。
ホワイトニングの施術後、歯の白さを長持ちさせるためには、定期的に「タッチアップ」を行うことが有効です。
タッチアップとは、再度ホワイトニングを受けることをさします。タッチアップにより、継続的に歯を白く保つことができます。
また、オフィスホワイトニングでは、ホワイトニングとともに歯のクリーニングやコーティングを行うことが一般的です。歯のクリーニングやコーティングは、歯の表面を滑らかにし、汚れや食べ物の色素がつきにくい状態を維持するためのものです。歯の表面が滑らかな状態を保てれば、ホワイトニング後も歯が着色しにくくなります。
オフィスホワイトニングの費用相場は、使用する薬剤の種類や濃度によって価格が異なりますが、1回あたり約1万3千~5万5千円前後です。
オフィスホワイトニングの施術は一度ではなく、一般的には約3~6回行うことが一般的です。全体としてのオフィスホワイトニングの費用は約数万~十数万円となることが多いでしょう。
ただし、上記はあくまで一般的な相場であり、歯科医院によっては上記と異なる料金設定をしていることもあります。また、ホワイトニングの効果や安全性、費用などを詳しく知りたい場合は、直接歯科医師に相談するのがよいでしょう。
オフィスホワイトニングとは、歯科医院で行う歯のホワイトニングです。即効性があり、プロが行うため色ムラがなく、万が一のトラブルにも早急に対応できます。また、ホワイトニング前にクリーニングも行うため、ホワイトニング効果を最大限にするだけでなく、虫歯や歯周病の早期発見にもつながるでしょう。
しかし、理想の白さにするには複数回の施術が必要であり、ホームホワイトニングより費用が高額となるでしょう。
イベントなどの予定があり、すぐに歯を白くしたい方には、オフィスホワイトニングがむいています。ホワイトニングは自由診療のため、歯科医院によって費用が異なります。事前にお近くの歯科医院のホームページで確認するとよいでしょう。
「ホームホワイトニング」は、歯科医院に何度も通わずに自宅でできるホワイトニングです。もちろん自宅以外でも、道具と材料があればどこでも行うことが可能です。マウスピースにホワイトニング用の薬剤を入れて装着することで、自分のタイミングで歯を白くすることができるという点が特徴です。
一度歯科医院でマウスピースの作成と薬剤の処方を受ければ、自分のタイミングでいつでもできることがメリットです。
そのため仕事などが忙しくて歯医者さんに通えないという方に人気があります。
また、オフィスホワイトニングと比べて色素の分解が細かくなるため、色戻りまでの期間が長い(=色持ちが良い)と言う点がメリットの1つです。ゆっくり時間を掛けて白くすることで、歯の表面荒れも抑えることができ、透明感のある自然な仕上がりになります。
マウスピースの装着時間は1日1回30分から長いもので就寝中ずっとなど様々ですが(メーカーや薬剤タイプ、濃度により1度の装着時間が異なる)、白さに満足するまでは毎日使用することが勧められており、自分で行うのが面倒な人には厳しいかもしれません。
さらにホームホワイトニングをした直後は飲食物の色を吸収しやすい時間があり、白以外の色の付いた飲食物・タバコなどは数十分から数時間我慢する必要(飲食制限)があります。
また、歯科医師の手を使わず個人で使用ができるよう低濃度の薬剤を使用するため、オフィスホワイトニングに比べると1回の装着時間が長く、白くなるまでに掛かる期間も長くなる傾向にあります。
「オフィスホワイトニング」とは歯医者さんで歯科医師や歯科衛生士の手で施術を行うホワイトニングです。
有資格者が行うため薬機法で制限されている高濃度の薬剤を使用することができます。
そのため、歯が白くなるスピードはホームホワイトニングよりも早いといえます。
オフィスホワイトニング・ホームホワイトニングともに、歯の表面の着色を落とし内部にある着色有機質を分解することで歯を白くしていきます。
一般的なオフィスホワイトニングではこれに加えて、表面の構造を変化(表面荒れ)させることで光の乱反射を起こし、内部の色を透けにくくする『マスキング効果』が加わります。このマスキング効果がホームホワイトニングでは起こらない分、同じ白さになるまでの回数(期間)がかかってきます。
どちらがより効果的であるかは期間と目的にもよって答えの分かれるところです。最終的に満足できる白さになるまで「続けることができるか」という点も重要でしょう。
「早く白く、そして白さを長持ちさせたい!」という場合、「デュアルホワイトニング」という方法がもっとも効果的です。デュアルホワイトニングは、ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングを組み合わせたもので、両方のホワイトニングのメリット・デメリットがあります。
自然な白さで色が戻りにくいというホームホワイトニングのメリットと短期間で効果が期待できるオフィスホワイトニングメリットの両方を得ることができる反面、2つのホワイトニングを併用する金銭コスト、ホワイトニング期間中の知覚過敏(オフィスホワイトニングに比べ、ホームホワイトニングの方が歯牙に対する侵襲は深く、痛みが出やすくなる)が起こりやすくなるデメリットなどもあります。
ホームホワイトニングに必要なものは、基本的に以下の二つです。
マウスピースにホワイトニングの薬剤を入れて装着する事で、薬剤を歯へ浸透させます。
ホワイトニングの薬剤はマウスピースに乗りやすいようジェル状になっています。
ジェル状の薬剤は歯磨き粉のような感覚で取り扱う事ができます。
ホームホワイトニングは患者さん自身に任せる部分が多いため、歯科医師や歯科衛生士のような有資格者でなくても使いやすいように設計されています。
手順は一例です。手順は医院や薬剤種類により異なる場合があります。
患者さんの歯がどれだけ白くなったのか後日比較できるように、ホワイトニングを開始する前の色を記録、もしくは撮影しておきます。また、患者さんがどの程度歯を白くしたいのか希望を聞いて、ホワイトニング薬剤の強さを決めます。
ホワイトニングに必要なマウスピースを作ります。歯全体の型取りをして、患者さん専用のマウスピースができたらホワイトニングの準備が完了です。 マウスピースは取扱方法を間違えると壊れたり、変形してしまうことがあるので、取扱方法には注意しましょう。
マウスピースができて、ホワイトニングの薬剤も手元に届いたらホワイトニングの開始です。衛生的に保つように、マウスピースは使用したら毎日水洗いし、乾燥させてから専用のケースで保管をするようにしましょう。
ホワイトニングは「歯」の着色有機質を分解・漂白しますので、被せ物や詰め物自体は漂白することができません。他にも、歯の神経が死んでいる場合や神経の治療をしたことがある歯も白くなりにくいです。このような歯については、ホワイトニングではなく〈被せ物〉や、〈歯のマニキュア〉をすることで白く見せる方法があります。
ホームホワイトニングで使用する薬剤は、主に過酸化水素や過酸化尿素です。これらが発生させるラジカル(化学反応)によって漂白させていきますが、過酸化水素や過酸化尿素はホワイトニングで使用する濃度で身体に入ってしまうと、炎症を起こすことがあります。
身体に入らないようにマウスピースを着用するため基本的には心配ありませんが、妊娠中の方や授乳中の方の場合は、万が一の事に備えホワイトニングは控えることをお勧めします。
また、薬剤が発生させる刺激で痛みが出ることがありますので、虫歯や知覚過敏で悩んでいる場合は、それぞれの治療からスタートしましょう。
ホームホワイトニングは、歯科医師・歯科衛生士といった有資格者ではなく、患者さん本人が行わなければいけないため、安全性について不安があるかもしれません。
ホームホワイトニングはオフィスホワイトニングと比べて薬剤の濃度を低くし、長期間使用ができるように作られているため、基本的に安全性には問題がないと考えられます。
せっかくホワイトニングをしてもすぐに着色するのであればちょっと考えてしまいますよね。
ホワイトニング後にどう対処するかも〈白さの続く期間〉を左右する重要なポイントになります。ホワイトニング後は以下のことに気を付けて、効果をより長持ちさせましょう。
ステイン(=着色汚れ)の原因となる飲食物といえば、コーヒー・お茶・ワインなどが思い浮かぶ方が多いのではないでしょうか。他にも、色の強い食べ物や飲み物は着色成分が多く含まれています。
これらのものを摂取した後、汚れがこびりつく前にすぐに落とすことが《色戻りの防止》に有効です。飲食の直後や、タバコを吸った後などにもお水で口をゆすぐ習慣をつけましょう。
汚れが歯に付着すること自体を予防するトリートメント剤やコーティング剤の利用も白さの持続に役立ちます。
ホワイトニング剤やトリートメント剤には、歯の表面に着色汚れを付着させにくくする働きがあります。さらに歯質を強化する働きがあるため、色戻りだけでなく、虫歯・歯周病、知覚過敏の予防ができます。
ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングでは、主に薬剤の濃度に大きな違いがあります。また、施術者が歯科医師・歯科衛生士(有資格者)なのか、患者さん自身なのかといった点でも大きく異なります。
ホームホワイトニングは、患者さんが自ら管理しなければならないことが多く、少し手間がかかりますが、自分の好きな時間やタイミングに合わせてホワイトニングができるのは大きなメリットです。
ホワイトニング後は、飲食後のケアも意識するとホワイトニングの効果を長持ちさせることができます。飲食直後のうがいなどを生活習慣に取り入れるほか、歯科医院でのトリートメントやコーティング施術による着色汚れ対策も効果的です。
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